重複して乗れる場合もある?大回り乗車にまつわる運賃計算の特例

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倉賀野駅の駅名版

こんにちは。10月の列車です。

最初のほうに書いたこちらの記事で、大回り乗車というものは同じ区間を重複して乗ってはいけないのが原則、と書きました。

しかし、これには例外があるとも書きました。

この記事では、どんな場合に例外になるのか、詳しく説明して行きたいと思います。くれぐれも、この記事をよく読んでから重複乗車してくださいね。

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キーワードは「分岐駅を通過する列車」

路線の分岐する駅に停まらない列車や、ホームが無い路線なんてたくさんありますよね。そういう列車に乗ったときは、まさか飛び降りるなんてとんでもない話です。飛び降りなくてもいいように、次のような例外規定がJRさんでは定められています。ページを開いて一読してみて下さい。

運賃計算の特例:JR東日本
JRのきっぷの種類・発売日・有効期間や、学割・団体割引をはじめとする割引料金、変更・払いもどしなど、きっぷに関するさまざまなご案内をしています。

特定の分岐駅には例外規定が定められている

上のページより引用させていただくと…

分岐駅を通過する列車に乗車する場合の特例

次の区間の左側の駅から枝分かれする一方の線区から他方の線区まで乗車する場合で、列車が左側の駅を通過するため左側の駅と右側の駅との間を折り返し乗車する場合は、同区間のキロ数は含めないで運賃計算をします(定期券は除きます)。ただし、折り返し区間内では途中下車はできません(途中下車される場合は同区間に対する運賃が必要になります)。

倉賀野 ー 高崎

東神奈川 - 横浜

神田 - 東京

代々木 ー 新宿

関東地方の大回り乗車で関係有りそうな分岐駅だけを4つ、抜き出してみました。ひとつひとつ見ていきたいと思います。

倉賀野ー高崎間

倉賀野駅といえば、高崎線と八高線の分岐駅ですね。八高線は普通列車のみで、倉賀野駅に停まったあと高崎駅まで行っています。なので高崎線の上り普通列車で上野方面に向かうのであれば、倉賀野駅で乗り換えなければならないですね。

倉賀野駅を通過するのは、高崎線の特急「草津・あかぎ・スワローあかぎ」の各列車です。これらの列車に乗って倉賀野駅を通過して高崎駅で下車し、折り返して八高線普通列車に乗る場合、もしくはその逆の場合に限ってはOKということになります。

倉賀野駅の駅名版

東神奈川ー横浜間

東神奈川駅は、京浜東北線と横浜線の分岐駅ですね。どちらの路線でも快速電車が走っていますが、東神奈川は停車です。ならば、東神奈川駅を通過するのは?

そう、東海道本線の列車です。川崎駅を出ると横浜駅まで停まらない、というかホーム自体がありませんね。東海道本線で川崎方面から来て東神奈川駅を通過して横浜駅で下車し、折り返し横浜線、大口駅以遠に向かう場合、この例外規定が有効になります。もちろん、横浜ー東神奈川だけ京浜東北線の列車に乗ってもOKです。

ただし、品川から東海道本線に乗って横浜駅→折り返して京浜東北線で鶴見駅、というようなのはアウトです。分岐してないからです。川崎駅で乗り換えていきましょう。また、横須賀線や湘南新宿ラインですが、物理的には鶴見駅付近から横浜駅まで東海道本線・京浜東北線と並走していて、戸籍上は同じ東海道本線ですが、横須賀線や湘南新宿ラインは鶴見駅に停車せず乗り換えられないので、大井町から京浜東北線→横浜駅→西大井まで横須賀線 と乗車するのは認められているようです。
(2022.11.05追記)上で述べた、大井町から京浜東北線→横浜駅→西大井まで横須賀線 ですが、西大井から先品川や大崎それ以遠へ行ってしまうとアウトになるそうです。特例区間が「西大井まで」となっているからです。詳しい方にメールでご教示いただきました。ありがとうございました。

神田ー東京間

神田駅といえば(戸籍上の)東北本線と中央本線の分岐駅ですね。

神田駅を通過する列車は、どちらの系統にもあります。というか結構あります。まず「上野東京ライン」として上野ー東京間を走る全列車。神田駅にホーム有りませんからね。そして中央本線の特急「あずさ・かいじ・はちおうじ・おうめ」の各列車です。

これらの列車に乗った場合は、神田ー東京間を2回乗ってもOKになります。なお、京浜東北線や山手線の秋葉原方面~中央線快速の御茶ノ水方面を乗り継ぐ場合は東京駅まで乗ったらアウトになります。京浜東北線の快速も、今は神田駅に停車ですので。

代々木ー新宿間

代々木駅は、山手線と中央本線が合流し、新宿駅まで並行していく駅ですよね。代々木駅も、通過する列車のオンパレードです。中央線快速の全列車、埼京線の全列車、湘南新宿ラインの全列車。そして特急成田エクスプレスもです。

中央線快速に乗って代々木駅を通過し、新宿駅から山手線で原宿方面に行く場合や、湘南新宿ラインで代々木駅を通過して、新宿駅から中央線各駅停車で千駄ヶ谷方面に行く場合など、この例外規定は無いとかなり困ることが分かりますね。もちろん、中央線快速と湘南新宿ラインを乗り継いで、代々木駅を2回通過してもOKです。

要注意!例外規定がありそうで無い区間

以上4つが、分岐駅を通過する列車に乗車する場合の特例で、多くの方にとって大回り乗車で関係してきそうなものです。しかし、これから紹介する2区間は例外規定になってそうで、なっていない要注意区間です!間違えて重複乗車して、大回り不成立!運賃精算!なんてことがないように注意してください。

友部ー水戸間

友部駅は常磐線と水戸線の分岐駅です。特急「ときわ」は停車しますが、「ひたち」は通過して水戸駅まで行ってしまいますし、時間によっては水戸線小山から友部を通って水戸・勝田まで直通する普通列車もあります。

が!ここは例外規定に定められていません。なので特急ひたちに乗って友部駅を通過したからといって、友部ー水戸間を2回乗るのはアウトになります。特急ひたちは朝夜は土浦に停まる列車も一部ありますが、友部には停まりませんし、車両は同じE657系なので、大回り乗車では「ときわ」に乗るようにしましょう。

松岸駅の209系電車

松岸ー銚子間

松岸駅は、総武本線と成田線の合流駅です。各駅停車はもちろん松岸駅に停まるので、両線の乗り継ぎは松岸駅でしなければならないのですが、総武本線の特急「しおさい」は通過します。

が!ここも例外規定には定められていません。なので特急しおさいで松岸駅を通過したからといって、銚子駅まで行ってしまったらアウトになります。ご面倒でも特急しおさいは飯岡駅までに降りて、各駅停車を待ちましょう。

まとめ:重複して乗っていい区間と、悪い区間がある

いかがだったでしょうか?

通過する列車からの飛び降りを防ぐために(?)このような例外規定が存在しています。でも適用されない区間もありますので、このへんも考慮して注意して計画を立てると良いと思います。便利な制度は利用して、特急に乗れるところでは乗ってみれば、楽しく大回り乗車をできると思います。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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