大回り乗車でE257系高崎線特急(草津・四万&あかぎ)に乗ってみよう

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特急「草津・四万」として運用中のE257系5500番台

こんにちは。10月の列車です。

今や上野東京ラインとして東京駅や東海道本線とつながり、埼玉県の大宮駅から二手に分かれて北関東の都市、高崎や宇都宮を目指す、JR高崎線や宇都宮線(正式には東北本線)。どちらも新幹線が並行して走っていますが、在来線特急列車も数は減ったものの、両線ともまだ走っているのです。

このうち、高崎線を走る定期運行の特急列車が、群馬県の温泉地を目指す観光特急「草津・四万(くさつ・しま)」そして高崎線沿線の通勤客をターゲットに走る通勤特急「あかぎ」なんです。先の2023年3月ダイヤ改正にて、車両・愛称・料金システムが一新され、以前の651系・185系時代のものとはまるで別物のように変化しています。

この記事では、新たにE257系5500番台(一部2500番台)により運行されている、高崎線特急「草津・四万」また「あかぎ」について、指定席と自由席はどうなっているか、特急券はどのように買えるか、などを説明しています。ぜひこの記事を参考に、大回り乗車でもそうでなくても、高崎線特急列車にお得に乗るにはどうするか、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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観光特急「草津・四万」と通勤特急「あかぎ」

新しくE257系にいて運行開始した、ふたつの高崎線特急「草津・四万」「あかぎ」ですが、運行区間や時間帯、停車駅、そして実は料金システムも異なります。ふたつの特急列車の性格の違いを表しているともいえそうですね。では、一つずつ見ていきたいと思います。

特急「草津・四万」利用をアピールするポスター

特急「草津・四万」

以前の特急「草津」に相当する列車です。中之条駅が四万(しま)温泉の最寄り駅という事もあり、今回愛称名に加わりました。

上野駅を出て赤羽、浦和、大宮とこまめに停車した後は、熊谷、高崎、新前橋と大きな駅中心に停車し、そして渋川(伊香保温泉)・中之条(四万温泉)・長野原草津口(草津温泉)と群馬県内の温泉地最寄り駅を結んでいく列車です。観光需要を考慮し、午前中からお昼ごろに長野原草津口行きの下り列車が、お昼から夕方にかけて上野行きの上り列車が走るようになっています。平日は2往復、土休日は3往復の運転で、多客シーズンにはさらに臨時列車を出し、本数が増える場合もあります。

いまさらこんな方はいないと思いますが、草津温泉があるのは群馬県ですので、この特急「草津・四万」号の終点、長野原草津口駅まで乗車して、JRバスに乗り継ぐというのが正しい行き方です。間違えて滋賀県の東海道本線、草津駅に行かないようにして下さいね!(笑 途方に暮れますよ…

特急「あかぎ」号の行き先表示器

特急「あかぎ」

以前、平日は「スワローあかぎ」として運行されていたものです。

停車駅は「草津・四万」よりも多く、高崎線内の駅にこまめに停車(上尾、鴻巣など)し、速達性よりも着席需要にこたえる、高崎線沿線民の通勤客用の特急列車です。そのため朝~午前中に上りの上野行き(平日は新宿行きもあり)、夕方~夜に上野始発の下り高崎行き(平日は本庄行き、鴻巣行きもあり)が走っており、土休日よりも平日のほうが本数が多くなっています。

2023年3月改正から、従来の高崎行きと本庄行きに加え、上野18:00発の列車が車両の取り回しの関係からか鴻巣行きとなり、JR東日本でもっとも運転距離の短い(46.7キロ)特急列車として有名に?なりました(笑 通過駅も5駅のみ。それって特急列車としてどうなの?と思わなくもありませんが、元をたどれば前身は「ホームライナー鴻巣」ですし、疲れているときに必ず座れるって大事なことですよ!

使用車両 E257系5500番台(5両編成)

特急「草津・四万」「あかぎ」に使用される車両は下の写真のような、E257系5500番台と呼ばれる、白と緑色のカラーリングの特急車両になります。ところでこの車両、やっぱりどこかで見たよね…という方もいるんじゃないかなという気がしています。

特急「あかぎ」として運用中のE257系5500番台

実はこのE257系5500番台、新車ではなく、元は千葉方面特急「わかしお」「さざなみ」などで活躍していた、E257系500番台車両が元なんです!

千葉方面特急「わかしお」として運用中のE257系500番台

路線によっては高速道路網の拡充によって特急列車の乗客が減少し、本数の減ってしまった千葉方面特急。余ってしまったE257系500番台車両は、関東各地の臨時特急や臨時快速列車、団体列車などに使われてきましたが、ここ数年で車両カラーのリフレッシュが行われ、うち4本は、中央本線特急「あずさ」「かいじ」を追われた9両編成のE257系0番台車両とともに 車内外をブルー系統にリフレッシュし、東海道本線「踊り子」「湘南」用になりました。そして残りの編成は、車内のカラーはほぼそのままに、車体カラーは白と緑のカラーリングとなり、団体・臨時列車用という位置づけになりました。

E257系5500番台車内

しかし、ここ数年のコロナ禍で、団体・臨時列車の需要も減少してしまったのかは分かりませんが、臨時列車用の9両編成3本(E257系5000番台)、5両編成5本(E257系5500番台)は持て余し気味になったのでしょう。5本ある5500番台車両のうち一部(3本)を高崎線特急に使おうという事で、東海道本線用にしか行っていなかった窓側席コンセント取り付けが行われ、老朽化した651系の後任として、晴れて定期特急列車「草津・四万」「あかぎ」に返り咲くことになりました。

なお、このE257系5500番台には、他路線の特急のような「座席上の3色ランプ」は取り付けられていません。また、先頭車となる1号車と5号車の運転室側には、大型の荷物を置いておける荷物置き場が備えられています。大きな荷物を持っている場合は活用してみて下さい。

E257系5500番台1号車・5号車にある荷物置き場

コンセントは原則、窓側席にはあるけれど

先ほどちらっと触れましたが、E257系車両が千葉方面特急としてデビューしたころには付いていなかった窓側座席コンセント、この「草津・四万」「あかぎ」の定期列車(草津・四万でいうと1号、2号、3号、4号、31号、34号)に使われる編成には後付けで取り付けられていますので、安心して利用できます。

E257系5500番台車内のコンセント

しかし「草津・四万」でも多客シーズンに増発される上記以外の列車では、窓側席コンセントのついていない車両がくることが多いそうですので、注意して下さい!

どういう事かといいますと、5本あるE257系5500番台のうち、窓側席コンセントのあるのは3本(OM-53編成、OM-54編成、OM-55編成)だけなんです。残りの2本(OM-51編成、OM-52編成)については引き続き団体・臨時列車用とされているため、コンセント後付けは行われていないんです。なので、この2本が臨時扱いの「草津・四万」に充当されても、コンセントの恩恵には預かれないということですので、一応知っておいて下さい。

E257系 編成番号の見分け方

先頭車両のフロントガラス左上、また乗務員室扉に、OM-XX編成という風に編成番号が書いてあります。ここにOM-53、OM-54、OM-55と書いてあれば、窓側席コンセント有りの編成だということがわかります。

神出鬼没、青いE257系2500番台「あかぎ」

さて、先述の通り「草津・四万」「あかぎ」の使用車両は、白と緑色の「E257系5500番台」だということを書きましたが、実はちょっと違う車両が充当される場合もあるんです。それがこの、青色の特急車両「E257系2500番台」です。

「踊り子」に充当されているE257系2500番台

これは何かというと、同じく千葉方面特急向けの「E257系500番台」出身ながら、東海道本線特急「踊り子」「湘南」用に青色ベースのデザインになった車両のことなんです。中でも「踊り子」の運用の時、熱海駅で切り離し、三島駅から伊豆箱根鉄道駿豆線に乗り入れて修善寺駅まで行くための車両として、重宝されています。

このE257系2500番台は、E257系5500番台と同じ、宇都宮線東大宮駅近くの車両基地に所属していることもあり(もっというと「踊り子」「湘南」用のE257系も、サフィール踊り子用のE261系も東大宮所属なんですよ)、一部の「あかぎ」号には原則必ず、青い2500番台車両が充当されるそうです。青い「あかぎ」号は以下の通りです。

平日:あかぎ6号新宿行き(高崎7:40→新宿9:07)、あかぎ7号本庄行き(上野19:30→本庄20:42)

土休日:あかぎ9号高崎行き(上野20:00→高崎21:24)

しかしいかんせん、E257系5500番台のコンセント付き3本には予備車両が無いことから、上記以外の「あかぎ」や、運が良いと「草津・四万」にもE257系2500番台車両が充当されることがあるそうです。これに遭遇したら本当にラッキーですね!2500番台車両も窓側席コンセントもついているので安心です。ただ、東海道線特急充当時に使われている「座席上の3色ランプ」は、高崎線特急充当時は使用されないそうです。

ちなみにE257系5500番台も、E257系2500番台も、車内外のカラーなど細かいところは違えど、座席配列はまったく共通ですのでご安心ください。

「草津・四万」「あかぎ」特急料金は?

さて、気になる特急料金です。ここでは上野駅からの料金をご案内したいと思います。大回り乗車では、上野~新前橋間で乗車可能です。なお、「草津・四万」「あかぎ」では実は料金システムがけっこう異なります。

特急「草津・四万」の行き先表示器

なお、2023年3月ダイヤ改正から、「草津・四万」「あかぎ」どちらも毎日、全列車が普通車指定席オンリーの5両編成となり、自由席やグリーン車はなくなりました。自由席特急券を買っても乗車できません。充分ご注意ください!

「草津・四万」普通車指定席通常期 …大宮まで1050円 熊谷まで1480円 新前橋まで1890円

「あかぎ」…鴻巣まで760円 新町まで1020円 高崎まで1580円

「草津・四万」に限り、通常期、閑散期(-200円)、繁忙期(+200円)、最繁忙期(+400円)で料金の変動があります。「あかぎ」に限り、日付のみ指定でお好きな列車の空席に座れる「座席未指定券」の制度があります。「草津・四万」「あかぎ」ともに、えきねっとチケットレスサービスで特急券をチケットレス購入すると、本来の料金から100円割引になります!

特急券の買い方 チケットレス対応で絶対お得!

続きまして、特急券の買い方です。毎回毎回おすすめしていて誰かに何か握らされているのかという人もいましょうが、けっしてそんな事はありません。なぜならJR東日本さんの指定席予約サイト「えきねっと」は絶対お得だからです!

「えきねっと」はこちら!

「あかぎ」号については、以前平日に「スワローあかぎ」として走っていた時の料金システムが、平日のみならず土休日の列車にも適用されました。

いっぽう、以前の特急「草津」については、指定席自由席グリーン車共に チケットレスサービスに一切対応しておらず、必ず紙のキップを購入または発券して乗る必要がありました。ですが今回の2023年3月改正から、「草津・四万」もえきねっとチケットレスサービス対応となりました!めでたい!これで、大回り乗車ではない一般の温泉帰りの乗客が、長野原草津口駅や中之条駅(みどりの窓口が廃止され、指定席券売機しか無い)で、特急列車の発車まぎわ、きっぷの購入や発券が間に合わないという困った事態も解決ですね。

先ほども書きましたが、「草津・四万」「あかぎ」ともに2023年3月ダイヤ改正からは「普通車指定席」のみの5両編成になり、かつえきねっとチケットレスサービスにも対応。チケットレス購入すると特急料金が100円割引となります。指定席に651系の時より、100円お得に乗れるようになったという事ですね!

紙のきっぷで特急券を買って乗車する場合、スタート駅の改札外の指定席券売機であらかじめ買っておいてから大回り乗車をスタートさせるのがいいでしょう。

上野駅14番線・15番線の指定席券売機

改札内で買いたい場合、下り列車始発駅の上野駅には、地上ホームとなる14・15・16・17番線に指定席券売機が置かれています。大宮駅・熊谷駅・高崎駅には、新幹線への連絡改札付近に新幹線用の指定席券売機がありますが、ここで「草津・四万」「あかぎ」の特急券がおそらく買えるかと思います。また、赤羽駅の3・4番線にはホームの浦和寄りに指定席券売機が置かれていますので、これらの場所で買うこともできます。

えきねっとで高崎線特急を買う時のアドバイス

これはちょっとした知恵?のようなものですが、えきねっとで、列車の乗車駅と降車駅を指定して「草津・四万」「あかぎ」の特急券を買う時、ちょっと困ったことになる場合があります。

それは、高崎線には上越新幹線・北陸新幹線が並行して走っているため、たとえば乗車駅を上野、降車駅を高崎などとすると、どうしても新幹線のほうが速いため、新幹線の列車しか表示されず、高崎線特急列車が表示されないのです。降車駅を長野原草津口などにしても、上野から高崎まで新幹線、そこから在来線乗り継ぎなどとなってしまうのです。新幹線のほうが速いのはそりゃぁ、そうなんですけど…。

そのような場合は「検索オプション」を開き、以下のように設定してみましょう。

①「新幹線を利用」のチェックを外す。

②「特急列車・指定席がある列車を利用」にチェックを入れる。

③ 経由駅に「赤羽」や「浦和」を入れてみる。

特急「草津・四万」の前面愛称表示

この方法は、たとえば東京駅~仙台駅で東北新幹線ではなく、常磐線特急ひたちに乗りたい場合などにも応用できるかと思います。ぜひお試しください!

まとめ:心機一転、高崎線特急をチケットレスで味わおう

いかがだったでしょうか。

2023年3月ダイヤ改正で、車両、愛称、料金システムも一新した2つの高崎線特急「草津・四万」「あかぎ」。どちらも全車普通車指定席の5両編成となったが、えきねっとチケットレスサービスに対応し、気軽に確実に座れるようになった。車両はお古ではあるけれど、多客期の臨時便は別として窓側席にコンセントが後付けされており便利に利用できる。そういったことが分かって頂けたことと思います。

是非この記事を参考にして、新しくリニューアルした高崎線特急に、是非また乗ってみてくださいね。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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