
こんにちは。10月の列車です。
大回り乗車には事前の計画が必須!と、ことあるごとに書いてきました。しかしそうは言っても、自分の作った計画がちゃんと大回り成立するのか不安だよ!旅行の計画なんて立てたことないよ!どうしよう!? …そんな方もいらっしゃることと思います。
そこで、そんな皆さんの代わりに私が計画を立て、ちゃんと大回りが成立するモデルプランをご用意させていただきました。この記事では、上野駅発東京駅行きで、北関東3県(茨城、栃木、群馬)を通ることのできるモデルプランを紹介させていただきます。初心者のあなたは、是非このプランをもとに大回り乗車の旅に出てみて下さいね。
(なお、事故などのダイヤの乱れでこの計画通りいかず、損害を被った場合でも、その責任を負うことはできかねます。あくまで自己責任という事でお願いします。)
上野駅発東京駅行き 北関東3県を回るプラン
まずは、そのモデルプランをずらっと書いていきたいと思います。なおこのプランは2023年3月改正ダイヤの「土休日ダイヤ」に基づいて、臨時列車などは利用しない前提で計画をたてています。
上野8:49発(常磐線343M 普通勝田行き)友部10:43着
友部11:23発(水戸線746M 普通小山行き)小山12:24着
小山13:02発(両毛線452M 普通高崎行き)高崎14:50着
高崎15:50発(八高線236D 普通高麗川行き)高麗川17:15着
高麗川17:32発(八高線1770E 各停八王子行き)八王子18:24着
八王子18:41発(中央線 中央特快東京行き)東京19:33着
……上野8:49発、東京19:33着 運賃170円(IC167円) 所要時間10時間44分……
大回り乗車の際にきっぷを買うか、ICカードを使うかについては、こちらの記事も参考にしてください。このプランではICカードも使用可能です。
上野始発の常磐線勝田行きで出発、でも要注意!

まずは、上野8:49発の常磐線、勝田行きで出発です。ほかの駅から上野駅に来た場合は、いったん改札を出てから入り直しましょう。上野駅では朝早くから駅弁屋さんなど各種お店がやってるので、お弁当を買っていくのもいいと思います。列車は高いホーム、10番線から発車します。15両編成なので、座れない心配はまずないでしょう。好きな号車に乗り込んでいざ…
いえ!!ちょっと待ってください!! 大事な注意点がひとつあります。
時刻表を見ると、この343M勝田行き「土浦~勝田間はグリーン車なし」と書かれています。これがなにを意味するか。常磐線に使われているE531系電車は、グリーン車つきの10両編成と、グリーン車無しの5両編成の2種類があり(どちらもトイレはあります)、これを組み合わせて15両編成になるようになっています。つまり、途中の土浦駅で「グリーン車付きの10両」を切り離し、「グリーン車無しの5両」だけが友部、勝田まで行くという事です。
なので、私たちが乗るべきは「グリーン車無しの5両」のほうです。
前寄り、11号車~15号車の5両に乗車しましょう。
うしろの10両は友部まで行きません!上野~土浦でグリーン車に乗る事も出来ますが、土浦に着いたら5号車から11号車まで120m近く歩かなければいけないので、あまりオススメできません。なお、トイレは11号車、ボックスシートは13~15号車にあります。早めにホームに行ってお好みの席を取るのもいいと思います。
友部駅についたら、水戸線の発車まで40分ほどあります。友部駅はNewdaysなどがないのでちょっと退屈かもしれませんが、11時11分に水戸線列車が到着するまで、ドクターペッパーでも飲みながら(笑)のんびりお過ごしください。
戸線で優雅に小山へ

友部11:23発の水戸線小山行きで、小山をめざしましょう。友部駅と笠間駅発車時には、笠間市出身の有名歌手、坂本九さんの曲の発車メロディが流れると思いますので、耳を傾けてみて下さい。途中の下館駅では、真岡鉄道や関東鉄道常総線の車両が見られるかもしれません。ボックス席に洋式トイレも付いた快適なE531系の乗り心地を味わって下さい。およそ1時間で、12:24に小山駅に到着です。
小山駅では、次の両毛線の発車まで38分あります。早飯に自信がある方は、吉野家で牛丼を平らげるのもいいでしょう(ただ、5席しかないのでこの時間は混んでいるかも)。そうでない場合は昼食として、パン屋さん「リトルマーメイド」やNewdaysでなにか調達するのがいいと思います。Newdaysにはレモン牛乳などの栃木みやげも売っていますので、もしよければ買っていくと良いでしょう。
両毛線で2時間足らずの長旅へ

小山13:02発の両毛線 高崎行に乗って高崎をめざします。なお、小山駅の両毛線ホームは奥まった場所にあり、コンコースから徒歩3分ほどかかりますので、12時50分ごろにはホームを目指して出発するようにしましょう。
4両編成の211系電車が停まっていることと思います。先頭の1両目にレトロな和式トイレが有ります。車内は全てロングシートで、ボックス席はありません。両毛線は、とくに平日は乗っていると多くの学生さんが入れ代わり立ち代わり利用するので、わりと乗客数的には多い方だと思います。土休日も部活の子たちが利用すると思いますし。
また、最近新しく出来た「あしかがフラワーパーク駅」。ここを利用してフラワーパークに出かける方々も土休日は多くいらっしゃることと思います。コロナ前、4月の日曜日に両毛線を利用したら、藤まつりに行く人々で混み合っていました。そう考えると、多くの人が座れるロングシートも悪くないのかな?とも思います。
両毛線は、栃木、佐野、足利、桐生、伊勢崎、前橋と、多くの都市を通過して行きます。小山~高崎を乗り通す人は私たちのような旅人ぐらいなもので、ほとんどは区間利用のお客さんです。駅に着くたび入れ替わる乗客の人間観察も面白いと思いますよ。
高崎駅についたら、次の八高線までちょうど1時間あります。ここでもお土産を売っているNewdaysがありますし、駅のトイレ脇には駅弁屋さんもあります。食事時ではないですが、お土産代わりに持ち帰って食べるのもいいですね。
八高線でディーゼル車体験

高崎15:50発の八高線はディーゼルカーです。高麗川までは電化されていないからです。じゃあ今後電化されるかというと… 2時間も列車が空いたりする現状ではあり得なさそうかな?というわけで、ディーゼルカーを体験するならここ、八高線です。2両編成だと思いますので、ボックス席に座りたいよ!という方は15時20~30分頃から3番線で待つことをお勧めします。なお八高線の3番線も、小山駅程ではないですが奥まった場所にあるので、あまりギリギリには行かないようにしましょう。
寄居までは割と開けた風景が続きますが、その先は山の中に分け入っていきます。そんな風景の変化も見どころです。およそ1時間半で、17:15 高麗川(こまがわ)駅に到着です。
高麗川から先は4両編成の電車になります。車内トイレはありませんのでご注意を。川越線からの直通の八王子行きが来ますのでしばし待ちましょう。電車になったら車窓風景も都会になるのか…というと、金子駅までは峠越えなので思いっきり山の中です。そして金子駅発車後には狭山茶の茶畑、東福生駅周辺では米軍横田基地とこれまたユニークな車窓が広がります。やっと住宅街が広がってきたなと思ったら、18:24に八王子に到着です。
最後は中央線で東京駅に着いて終了!
18:38発の快速もあるのですが、その後の18:41発中央特快のほうが10分早く、19:33に東京駅に着きます。中央線の乗り場は八高線が到着した1番線のすぐ向かい、2番線です。中央線快速はトイレの取り付け工事が進行中であり、割とほとんどの編成がトイレ付きとなっています。お腹に自信のない方は前から4両目の4号車に乗ってみましょう。東京駅に着いたら、11時間足らずの大冒険も終幕です。お疲れ様でした!
今回紹介した路線や駅について詳しく知りたい方は、こちらのカテゴリーページの記事を参考にしてみて下さい。


特急に乗ってみたいあなたへ!

ずっと普通列車ではちょっと飽きるし、特急に乗ってみたりできないの?という方もいらっしゃるでしょう。今回紹介したモデルプランのうち、常磐線と中央線では特急列車に乗る事も出来ます!
上野9:30発(常磐線 特急ときわ55号 勝田行き)友部10:37着 →水戸線11:23発
八高線18:24着→ 八王子18:31発(中央線 特急あずさ46号 新宿行き)→新宿19:06着 →新宿19:11発(中央線 快速東京行き)→東京19:24
特急料金:上野→友部1580円 八王子→新宿760円 (チケットレスはこれより100円引き)
特急ときわ55号に乗ることで、上野駅出発を44分遅くすることが出来ますね。これは朗報かも? あずさのほうはさほど時間短縮にはなりませんが、そのぶん料金も安く、夕方ラッシュの混雑を避けてという意味では乗るメリットはあると思います。
なお、どちらの特急も全車指定席です。上野駅にも八王子駅にも、ホームに指定席券売機があるので心配はいりませんが、出来ることならば「えきねっと」に登録して100円安く乗っちゃいましょう!

特急列車の乗り方については、こちらのカテゴリーの記事もご参考にお願いします。

まとめ:170円で1都5県の大冒険へでかけよう
いかがだったでしょうか。
わずか170円の運賃で、合法的に1都5県をぐるりと回る大冒険が可能であることが分かって頂けたかと思います。計画を立てるのが自信がないよという方は、まずこのプランに沿って大回り乗車をやってみて、その次は計画を自分で立てて行ってみるのもいいと思います。誰でもできる小さな大冒険、大回り乗車をあなたもぜひ体験してみて下さい。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。