こんにちは。10月の列車です。
大回り乗車で乗れる路線の中には、普通列車なのにリクライニングシートが並ぶ「グリーン車」が連結されている事があります。グリーン車に乗るためには、当然大回り乗車でも運賃とは別にグリーン券が必要です。
でも、2000円には届かない値段ですし、2階席からの眺めはなかなかのもの。ちょっとリッチな体験をするにはうってつけです。この記事では、そんな普通列車グリーン車とはどんな車両か、どこで乗れるか、料金はいくらか、どうやってグリーン券を買って乗るのかを説明して行きます。
普通列車グリーン車とは
車両自体の解説
普通列車グリーン車は、連結されている路線では4号車・5号車と定められています。車両の構造は2階建てで、2階席と1階席にはデッキかららせん階段を上下して乗り込むようになっています。このほか車輪の真上の「平屋席」も少しあります。
眺め抜群!2階席
らせん階段を上って乗り込む2階席は、いちばん人気のある席です。はじめてグリーン車に乗り込む場合は、ここに座るときっとテンションが上がると思います!ただ、そのぶん家族連れなども乗っていることもあると思うので、休日などはちょっと賑やかかもしれません。荷物棚は無いので、大きな荷物を持っている場合は平屋席をおすすめします。
落ち着いた1階席
らせん階段を下りて乗り込む1階席は、低い位置にあるので当然眺めは良くありません。しかしそのぶん、人が少なく落ち着いていることが多いです。ホーム床や線路が低く見え、これはこれで迫力があります。何度もその路線に乗って、べつに景色なんか見なくても…という人はここに乗ることが多いようです。また、低い位置は揺れが少ないとも聞いたことがあります。私、10月の列車は1階席が好きなんです。
荷物の多い人は平屋席
このほか、車輪の上の部分には8席、または12席しかない小さな部屋があります。それが平屋席。2階席や1階席と違って天井が高く、ゆとりがあります。この平屋席の特徴は何といっても、荷物棚があることです!なので大きな荷物を持った人(大回り乗車でそんな人いるかは分かりませんが…)はここを利用すると良いでしょう。
また、5号車の4号車寄り、つまり2両のグリーン車のちょうど中間部分にトイレと洗面所があります。
普通列車グリーン車に乗れる路線
関東地方大回り乗車で普通列車グリーン車に乗れるのは、以下の路線です。
・東海道本線
・上野東京ライン(常磐線の一部除く)
・湘南新宿ライン
・宇都宮線 ・高崎線
・横須賀線 ・総武線快速
・内房線、外房線、成田線の総武線直通快速
・常磐線の一部列車
常磐線でグリーン車が付いているのは、取手より先まで行く、青い帯のE531系電車の10両編成・15両編成の列車になります。緑帯のE231系電車にはついていません。また、2025年春からは中央線快速にもグリーン車が連結されるようになるそうです。
中央線快速電車・青梅線で連結が始まったグリーン車については、こちらの記事をご覧下さい。
2024年3月16日以降のグリーン料金
2024年3月16日から、普通列車グリーン車のグリーン料金の体系が大幅に変わりました。
首都圏の普通列車グリーン車の料金体系を見直します.pdf (jreast.co.jp)
これまでの「平日と土休日で200円差」という区分が無くなり、どの曜日でも同じ料金に。具体的には、高いほうの平日料金に近い水準に統一されました。
「事前料金と車内料金で260円差」という区分ですが、車内料金という概念は普通列車グリーン車からは無くなる一方、「Suica等のICカードやモバイルSuicaで乗るか、紙のグリーン券で乗るかで260円差」という区分に変わりました。つまり、事前に駅で買っていたとしても、紙のグリーン券で乗るほうが常に260円高くなるのです。
※乗車後に車内でアテンダントさんからグリーン券を買う場合は、紙のグリーン券しか買えません。
そして距離による差額は、今までの「50キロまでか、51キロ以上か」から、「50キロまで/51キロから100キロまで/101キロ以上」という3段階に変わり、新たに101キロ以上の料金を設定。全体的にけっこう高くなるのは否めないですね。
2024年3月16日からの普通列車グリーン料金は、以下の通りになりました。
【Suica等のICカード・モバイルSuicaで乗車するとき】
50キロまで…750円
51キロ以上100キロまで…1000円
101キロ以上…1550円
【駅や車内で購入した紙のグリーン券で乗車するとき】
50キロまで…1010円
51キロ以上100キロまで…1260円
101キロ以上…1810円
グリーン券は、ひとつの列車に乗るたびに1枚必要なのが原則ですが、次のような場合は1枚でOKです。
たとえば東海道本線の茅ヶ崎からグリーン車に乗って、途中の戸塚で横須賀線~総武快速線のグリーン車に乗り継いで千葉駅まで行く場合。同じく茅ヶ崎からグリーン車に乗って、上野で常磐線のグリーン車に乗り継いで友部まで行く場合(実体験です)。また同じ路線の普通列車が快速列車を待ち合わせする場合にお互いの列車を乗り継ぐとき、籠原止まりの列車から降りて後続の高崎行きに乗り継ぐ場合など、つまり同じ方向に行く列車同士を乗り継ぐときです。こんな場合は1枚で2列車以上味わえるのでお得ですね。
でも、以下のような場合は1枚のグリーン券では行けません。例えば宇都宮線土呂方面から来て、大宮駅で乗り継いで高崎線宮原方面に行く場合。常磐線で北千住方面から来て、上野で乗り継いで宇都宮線大宮方面まで行く場合。総武線快速で錦糸町方面から来て、東京駅で乗り継いで上野東京ライン上野方面に行く場合などです。これらは同じ方向ではなく、V字型の乗り換えだからです。その都度グリーン券を買いましょう。
グリーン券を買う方法
大回り乗車中にグリーン券を買う場合、改札内で買うことになるため、そうなると購入方法は、お手持ちのSuicaカード(モバイルでないPASMO、TOICA、Kitacaでも良い)のチャージ金額からグリーン料金を引き去り、カードにグリーン券情報を記録する、もしくはモバイルSuicaのアプリで乗車前に購入するという方法しかありません。Suica、モバイルではないPASMO、TOICA、Kitaca、モバイルSuicaがインストールされたスマホのいずれかを必ず持って出かけましょう。これ以外のICOCAなどの交通系カード、モバイルPASMOは使えません。
グリーン車が停まる駅の停まるホーム、グリーン車の停車位置付近には、上のような看板やSuica専用グリーン券券売機が置かれています。このグリーン券券売機でグリーン券を買いましょう。
まず、ICカードを真ん中下のほうの青く光るトレーの上に置きます。
降りる駅を選ぶのですが、画面上にない場合は「他の駅を選ぶ」を押し、降りる駅がなに線にあるか、路線を選択します。そして、出てきた降りる駅のボタンをタッチします。
降りる駅を押したら、グリーン料金が差し引かれ、グリーン券情報をICカードに記録しますので数秒待ちます。このとき、ICカードの残額が必要なグリーン料金に満たなかった場合、1000円札1枚に限ってグリーン券売機でもチャージできます。5千円札や1万円札はアウトなので、出来ればスタート駅の出発前にICカードに2000円以上チャージしておくのがいいですね。
券売機が「グリーン券情報を書き込みました」と表示したらOKです。領収書的なものは出てこないので、ちょっと不安ですが、もし不安ならもう一度、グリーン券券売機のトレーにICカードを置いてみましょう。こんな画面になって、購入区間を確認できます。1枚のICカードに2枚以上のグリーン券情報を記録することは出来ないので、2人以上で行くときは人数分のICカードが必要です。
グリーン車に乗ってからやることがある!
さあ、グリーン券情報を記録したICカードを忘れないようにして、乗る列車がやってきたらいよいよ乗り込みましょう。2階席、1階席、平屋席から空いている席(座席上のランプが赤い席)を選んで座ったら、大事な作業があります。忘れずやりましょう。
グリーン券情報の入ったICカードを、座席上、天井のSuicaマークのところに、ピッとタッチするのです。窓側に座る場合は窓側の、通路側に座る場合は通路側のマークにタッチしましょう。すると、ランプの色が緑色に変わります。
この緑色は、この席の乗客はこの区間に有効なグリーン券を持っていますよ、車内改札を省略できますよというサインです。グリーンアテンダントさんが巡回してきますが、この緑ランプの乗客のところには検札には来ません。ゆったりグリーン車を味わいましょう。
なお、途中で座席を移動したくなったら、移動先の席でもう一度タッチしてください。グリーン車を降りるときは基本タッチしなくていいのですが、このあと別の列車に乗り継いでいく場合は、自分の席のところにタッチしてランプが赤になるのを確認し、乗り継いだ先の列車でまた同じように座りたい席の上にタッチしてください。
満席だったらどうしよう!?
普通列車グリーン車は自由席なので、とくに朝夕のラッシュ時はけっこう席が埋まり、座れないこともあるそうです。グリーン車のデッキに立っている場合でもグリーン券が必要なの? …残念ながらそうなんです。
普通車がぎゅうぎゅう詰めに混んでる場合は、立っててもグリーン車デッキのほうが快適かもしれないので料金の価値もあるかもしれませんが、座れないなら払いたくないよ!という方もいるでしょう。
そんなときは、デッキに立って待ち、グリーンアテンダントのひとが巡回してきたら声をかけて下さい。そして満席だったから普通車に移動したい旨を申し出て、どのようにしたらいいか指示を仰いだうえで、普通車に移動するようにしてください。
まとめ:乗り方を覚えてリッチな気分を
いかがだったでしょうか。
SuicaなどのICカード(PASMO、TOICA、Kitaca)があれば、普通列車でもお手軽にリクライニングシートの備わったグリーン車に乗れて、リッチな気分を味わえることがわかって頂けましたでしょうか。昼間ならどこかしらの席は空いていると思いますので、ぜひ普通列車グリーン車の車内でお弁当食べたりしながら、普通車とは違う視点の景色を楽しんでみて下さい。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。